建設資材や不動産の販売などを手掛ける東証一部上場の住宅関連会社「すてきナイスグループ」が決算を粉飾したとして、横浜地検特別刑事部は二十五日、金融商品取引法違反（有価証券報告書の虚偽記載）の疑いで、前会長の平田恒一郎容疑者（７１）ら元経営幹部三人を逮捕した。
逮捕容疑は二〇一五年三月期決算で、架空の売り上げ約三十二億円を計上するなどして利益を水増しした虚偽の有価証券報告書を提出したとされる。四～十二月期は経常損失と純損失だったのに最終的な三月期で黒字に転換しており、地検は赤字を隠すために粉飾していたとみて、財務状況を調べる。
他に逮捕したのは、元社長の日暮清容疑者（６７）と元取締役の大野弘容疑者（６３）。
すてきナイスグループは二十四日、一五年三月期決算で売上高三十億円以上を不適切に計上し、平田容疑者の関与を認定する第三者委員会の報告書を公表。子会社がペーパーカンパニーに計三十五億円を融資し、別の子会社が所有するマンションや土地を購入させており、「いずれの取引も計上は認められない」とした。
地検と証券取引等監視委員会は今年五月、本社や平田容疑者宅など複数の関係先を家宅捜索。すてきナイスグループは捜索後の会見で「通常の取引で架空ではなかった」と説明していた。
東京新聞:「すてきナイス」粉飾決算疑い 前会長ら３人逮捕:社会(TOKYO Web)
https://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201907/CK2019072502000274.html