第25回参院選(21日投開票)で32ある1人区のうち、全国的に勝負の行方が注目されているのが新潟選挙区だ。
国の道路調査を巡って、安倍晋三首相や麻生太郎副総理兼財務相の意向を「忖度(そんたく)した」と発言した自民現職の塚田一郎氏(55)と、野党統一候補の新人・打越さく良氏(51)が激戦を繰り広げている。
塚田陣営には13日に麻生氏が2度目の応援に入るなど連日大物が登場しているものの、逆効果ではないかとの見方も。打越陣営も「自民の“助っ人作戦”は大歓迎」とほくそ笑む。
大物の登場は「もろ刃の剣」でもある。特に今回の場合は忖度の相手である安倍氏、麻生氏をはじめとした権力者が応援に駆けつけるという構図。
演説を聴く有権者からは「例の失言を思い出した」という声も上がる。さらに、有権者自身の“顔”が見えなくなるという点も。
今後も大臣クラスが続々投入されるとみられるが、その作戦が正解だったかは、投票結果で明らかになる。
◆塚田氏の「忖度発言」
19年4月1日に福岡県北九州市で開かれた県知事選の応援集会において、地元の「下関北九州道路」が国の直轄調査に移行したことに関し「安倍首相や麻生副総理が言えないので、自分が忖度した」などと、首相らに配慮したと受け取れる内容の発言をした。塚田氏は同5日、国土交通副大臣を事実上更迭された。
https://hochi.news/articles/20190713-OHT1T50386.html