日本が韓国への輸出規制品目として発表したフッ化水素(エッチングガス)の輸出を、ロシアが韓国政府に提案してきたことが分かった。韓国大統領府関係者は12日、「ロシアがフッ化水素を供給するとの意向を韓国側にこのほど伝えてきた。現在、その提案を検討しているところだ」と語った。今月1日に日本が輸出規制を発表して以来、フッ化水素の問題は連日取りざたされている。超高純度フッ化水素は半導体回路を形成し、不純物を除去するのに不可欠だが、韓国の半導体メーカーはこの素材を日本にほぼ100%依存しているため、供給が中止されれば韓国の半導体産業がストップする可能性があるからだ。ロシア製のものが日本製のものの代替品になるなら、韓国の半導体産業界にとっては好材料だ。しかし、同業界や専門家の間では「本当にロシア製のものが半導体製造工程で使えるかどうかを見るには、確認しなければならないことが多い」と話す。
フッ化水素は日本が主張しているように毒ガスの製造にも使われるが、実際には産業全般においてさまざまな用途に使われる一般的な化学物質だ。蛍石を硫酸で溶かして作るフッ化水素はほかの物質と結合しやすい。高級ガソリンを作る時に入れる触媒であり、フライパン・屋根材料・電線被覆・眼鏡レンズなどに使われるテフロン(合成樹脂)の材料でもある。岩石を溶かしてウランを抽出する時に使われることもあるし、エアコン・冷蔵庫の冷媒や洗濯用合成洗剤にも入っている。表面を滑らかにしたり、高級な質感を出したりするのにも使用される。だが、このようなフッ化水素は99.9%以下の低純度製品だ。こうした製品は韓国はもちろん、中国・台湾・インドでも作られている。一方、半導体製造工程用のフッ化水素は99.999%以上の超高純度製品で、サムスン電子やSKハイニックスなどに納品している日本のステラケミファや森田化学工業が世界市場を掌握している。
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