ネイチャー誌が糾弾~日本発最悪の研究不正が暴く日本の大学の「不備」
サイエンス誌に続きネイチャー誌が…
世界中の科学者が読む雑誌が二つある。アメリカのサイエンス誌と、イギリスのネイチャー誌だ。どちらも様々な分野の科学論文を掲載すると同時に、世界中の科学に関するニュースを取り上げるという特徴がある。
その二大巨頭が、日本の研究者が起こした同じ研究不正の事例を大きく取り上げた。
What universities can learn from one of science’s biggest frauds
その事例は史上最悪の一つとも言われる。
それってあのSTAP細胞事件?と思ったあなた。まったく間違っている。
STAP細胞事件など比べ物にならないほど大きな事件を、日本人研究者が起こしていたのだ。それが、元弘前大学の教授だった故S氏がおこした事件だ。
サイエンス誌があぶり出す「医学研究不正大国」ニッポン
なぜ最悪なのか
その事件が最悪と呼ばれるには理由がある。与えた影響が大きすぎるのだ。
S氏が書いた論文は、診療ガイドラインなどに引用され、患者の骨粗鬆症の予防法の根拠となっている。
https://rpr.c.yimg.jp/im_siggx7fEUS4LgQwAlUK6qxILQQ---x689-n1/amd/20190626-00131623-roupeiro-000-12-view.jpg
上の写真は、ある診療ガイドラインが参考にした論文のリストの一部だ。S氏の論文(赤下線)が多数掲載されている。
これらの論文に研究不正や、研究不正には至らないものの、問題点が発見された。具体的には、研究対象とされた患者がいなかったなどのデータねつ造や、論文の著者が不適切であったことだ。
こうした問題点により、S氏の論文は撤回された。撤回された論文の数は60を超える。
撤回論文を監視する「リトラクションウォッチ」は撤回論文の数でランキングを作っている。S氏は世界第三位にランキングされる。
ちなみに、世界第一位は日本の麻酔科医、第五位はS氏の共同研究者の医師、第六位は一位の麻酔科医と共同研究をしたことがある麻酔科医だ。上位6人中3人が日本人の医師、上位15人中6人が日本人(うち医師が5人)と、日本人は世界に恥をさらしている状態なのだ。
https://rpr.c.yimg.jp/im_siggyJ12Xn9C4JFYEzuUh44tng---x720-n1/amd/20190626-00131623-roupeiro-001-12-view.jpg
以下ソース
https://news.yahoo.co.jp/byline/enokieisuke/20190626-00131623/
榎木英介 | 病理専門医かつ科学・技術政策ウォッチャー 6/26(水) 7:02