経済評論家の上念司という人がいる。
この人,「実質賃金が下がるのは大した問題ではない」旨を喧伝し,熱烈に安倍政権を応援する人々の一員なのだが,そもそも前提を理解していなかったことが分かった。
最近話題になっている「実質賃金」とは,正確に言うと,実質賃金指数のこと。
厚生労働省の説明によると,実質賃金指数の算定式は下記のとおり。
https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/monoshirin/20190206/20190206121002.png
https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/monthly/sisuu/sisuu.html#c2
要するに,実質賃金指数=名目賃金指数÷消費者物価指数×100
ここで,厚労省による指数の説明は下記のとおり。
https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/monoshirin/20190206/20190206121144.png
要するに,ここでいう指数というのは,「ある時点の基準数値を100とした数字」のこと。
ここで上念氏のツイートを見てみよう。
https:/twitter.com/smith796000/status/1092758620075450368
上念 司
@smith796000
そうか!マスコミは実質賃金を「手取りの賃金」としてミスリードしようとしてるんだ!実質賃金は名目賃金を物価上昇率で割り戻した指数な。手取りと勘違いしてたらバカ丸出しだぞ!
4:15 - 2019年2月5日
「名目賃金を物価上昇率で割り戻した指数」と言っている。
いや,違うんだが・・
物価指数で割らないといけないんだが・・率で割ったら全然違う数字になるぞ。
そして,彼が計算した実質賃金指数と称する数字が次のツイートに掲載されている。
悲劇的な間違いが,そこにある。
https://twitter.com/smith796000/status/1092925798049345536
上念 司
@smith796000
2月5日
大好評なので応用編作ったよ。今度は就職をあきらめた人も入れて失業率、物価上昇率も0.5%から徐々に上がったことにしてみて実質賃金指数も計算してみた。完全雇用を達成して全員給料増えてるのに実質賃金は減ってるよ。つまり、実質賃金は割合なんだよ。手取りの賃金じゃないよ。
https://pbs.twimg.com/media/DyraOJzXQAErYsf.jpg
この表を拡大したのがこちら。
https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/monoshirin/20190206/20190206121626.png
おいおい・・・そもそも,この名目賃金指数の列にある「30」っていうの,指数じゃなくて「実数」だぞ。
この時点から既に間違えている。
以下ソース
http://blog.monoshirin.com/entry/2019/02/06/124453