極細麺の「長浜ラーメン」発祥の地として知られる福岡市・長浜地区で、屋台街復活の見通しが立たない。今営業するのは4軒のみ。市が今年行った事業者公募でも、出店希望者は出ないままだ。関係者は「長浜屋台は風前のともし火」と危機感を強める。
17年に常設店を構えた「長浜満月」店主の内山俊二さん(45)は「一番やりにくかったのは営業時間の制限だった」と振り返る。以前も午前4時までに屋台を撤去するよう市が定めていたが、時間を過ぎても黙認されていた。中洲で働く飲食店従業員らを当て込んで早朝まで営業を続け、撤去が5時過ぎになるのも珍しくなかった。
だが、条例により午前4時の撤去時間は厳格化され、指導員も巡回するように。営業許可を取り消されてはかなわないと「早じまい」を徹底した。集団移転も響き、内山さんの屋台の16年の売り上げは、最盛期の6割ほどに落ち込んだ。
新たな店にも常連は足を運んでくれ、営業は順調だが、育ててもらった屋台街は気にかかる。「店が減って客足も引く、負のスパイラルに入っている」
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