安倍政権が明仁天皇「生前退位のおことば」に介入していた! 安倍首相の指示で日本会議系の衛藤晟一補佐官が…
(一部抜粋)
毎日新聞のベテラン記者・伊藤智永論説委員が、4月に出した著書『「平成の天皇」論』(講談社現代新書)のなかでその内幕を明かしているのだ。
そもそも、「生前退位のおことば」は突然出てきたものではない。明仁天皇は生前退位について熟考を重ね、数年前から宮内庁を通じて官邸に打診してきたが、安倍首相らがずっと棚ざらしにしてきたという経緯がある。
当時の風岡典之・宮内庁長官は、2015年ごろから杉田和博官房副長官らと水面下で交渉を続けてきた。だが、官邸は一向に首を縦にふらず、天皇周辺は焦燥感と危機感を募らせた。そんななか、2016年7月13日の夜、NHKがスクープしたのが「天皇陛下 生前退位のご意向」だった。安倍首相らにとってはまさに青天の霹靂。官邸は激怒し、風岡長官を更迭するなどの“報復”に出るわけだが、結局、「生前退位のご意向」は明仁天皇がビデオで国民に直接語りかけるかたちで「おことば」となった。
『「平成の天皇」論』には、その間の天皇側と官邸側の攻防が生々しく描かれている。安倍首相や杉田官房長官らは、〈天皇自ら起草し、皇后の助言を入れながら一年以上置いて何度も読み返していた原稿〉を、NHKのスクープ後に初めて読んだ。そして、安倍首相の指示でその文言を点検したのが、安倍首相の“右派の兄貴分的存在”である衛藤晟一首相補佐官だったという。衛藤補佐官は日本会議の中核をなす極右団体・日本青年協議会出身で、日本会議と現政権の直接的窓口ともいわれている人物だ。
欧州の王室に言及したくだりを削除、皇族の負担軽減の箇所にも介入姿勢
伊藤氏は、その安倍周辺が「生前退位のおことば」へ介入した部分を具体的にこう書く。
〈関係者によると、原案には欧州の王室における生前退位の近況を引用した部分が二ヵ所あった。王室は国民に語り掛ける機会が多く、先代が亡くなった後、喪に服す期間が日本ほど長くないことが書かれていたという。衛藤氏はこれを「神話から生まれた万世一系の天皇が、権力闘争の末に登場した欧州の王室の例に倣う必要はない」という理由で削除し、宮内庁も受け入れた。〉
つまり、明治期につくられた“万世一系の神話的イメージ”を現代の天皇制に押し付け、明仁天皇が美智子皇后とともに築いた“象徴天皇像”を矮小化しにかかったわけである。まさしく、安倍政権の復古的天皇観を裏付ける話だ。
全文は
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2019.04.30 11:16 Litera