中米諸国から米国に向かっていた移民集団(キャラバン)を巡り、米国境警備当局が日本出身者を含む取材していたジャーナリストや支援の人権活動家ら約六十人のリストを作成、「組織主宰者」「扇動者」などと区別し行動を監視していたことが七日までに明らかになった。米メディアが報じた。
データベースにはニューヨーク在住の報道写真家ゴウ・ナカムラさん(41)=大分市出身=も含まれていた。当局は「職員を攻撃する情報を持っている可能性があるため」と釈明しているが、議会などから批判が殺到。国土安全保障省の監察官も調査に乗り出した。
人権団体の全米市民自由連合(ACLU)は「報道の自由を定めた合衆国憲法修正第一条にも違反している」と非難している。
米メディアが入手したリストにはジャーナリストや活動家、弁護士らが掲載され、「警戒人物」との記述もあった。
ナカムラさんは共同通信の取材に、昨年末にメキシコ側の国境地帯で取材した後「米国への再入国時に当局に止められて事情聴取を受け、移民支援者とのつながりを問われたり情報提供を求められたりした」と話した。
https://www.tokyo-np.co.jp/article/world/list/201903/CK2019030802000307.html