新たに開発された薬=新薬の価格について、厚生労働省が、算定する根拠の1つとしている人件費を誤って計算していたことがわかりました。このため、一部の薬の価格が本来よりも高くなった可能性がありますが、厚生労働省は「価格の変更は行わない」としています。
新薬の価格は、製造する企業側が示す原材料費や製造にかかった経費、それに人件費などを積み上げた原価をもとに、中医協=中央社会保険医療協議会で最終的に決められます。
価格の算定に使う人件費は「毎月勤労統計調査」などの直近3年分の賃金データをもとに、厚生労働省が計算した時給の平均値を使って算出されますが、統計不正問題による影響を調査するなかで、平成24年度以降の6年分で、誤って、決められた年度の時給のデータを使わずに計算し、本来より高くなったケースがあったことがわかりました。
このため、一部の薬の価格が本来よりも高くなった可能性があるということですが、厚生労働省は「新薬の価格は、最終的には中医協で議論して決めるため、直接の影響はなく、価格の変更は行わない」としています。
厚生労働省は近く、今回の誤りを中医協に報告することにしています。
厚生労働省では統計の不正問題に続き、薬価の算定でも誤りが見つかったことで、国会などで組織の抜本的な立て直しを求める声が、さらに強まることが予想されます。
厚労省 新薬の価格算定で誤り 本来より高くなった可能性 | NHKニュース
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20190216/k10011817001000.html