<時代の正体>質問制限 削られた記事「8行」 忖度による自壊の構図|カナロコ|神奈川新聞ニュース
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【時代の正体取材班=田崎 基】18日夜、わずかな異変が起きていた。新聞各紙の締め切り時間がじわじわと迫る午後9時57分、共同通信が、加盟各紙に配信した記事の一部を削除すると通知してきた。
「官邸要請、質問制限狙いか 『知る権利狭める』抗議」と題する大型サイド。官房長官記者会見での東京新聞記者による質問について、首相官邸が「事実誤認」だと断定し質問制限とも取れる要請文を内閣記者会に出したことについて、問題点を指摘する記事だった。
要請文が出された経緯や、その後に報道関連団体から出された抗議声明、識者の見解などを紹介する記事の終盤に差し掛かる段落のこの記述が削除された。
〈メディア側はどう受け止めたのか。官邸記者クラブのある全国紙記者は「望月さん(東京新聞記者)が知る権利を行使すれば、クラブ側の知る権利が阻害される。官邸側が機嫌を損ね、取材に応じる機会が減っている」と困惑する〉
午後4時13分に一度配信された記事は、5時間44分後に、この8行が削除されて配信され直した。
共同通信による「編注」(編集注意)には削除理由としてこう記されていた。
〈全国紙記者の発言が官邸記者クラブの意見を代表していると誤読されないための削除です〉