松橋事件の無罪確定へ=検察側、有罪主張せず―再審初公判・熊本地裁
熊本県宇城市(旧松橋町)で1985年、男性が刺殺された「松橋事件」で、殺人罪などで懲役13年が確定し服役した宮田浩喜さん(85)の再審初公判が8日、熊本地裁(溝国禎久裁判長)であり、弁護側は改めて無罪を主張した。検察側は有罪を主張せず、判決では殺人罪について無罪が言い渡され、確定する見通し。
事件は85年1月に発生し、宮田さんは取り調べで殺害を「自白」。一審公判中に否認に転じたが懲役13年が言い渡され、90年に最高裁で確定した。
弁護側による証拠開示請求で97年、「凶器の小刀に巻き付け、犯行後に燃やした」とされる布片を熊本地検が保管していたことが判明。これらを新証拠として、宮田さんの成年後見人が2012年に再審を請求した。
熊本地裁は16年、小刀と遺体の傷口が一致しないとした鑑定結果も踏まえ、自白の信用性を否定して再審開始を決定。福岡高裁も支持し、18年10月に最高裁が検察側の特別抗告を棄却し、再審開始が確定した。
宮田さんは99年に仮出所したが、15年秋ごろから介護施設で生活している。脳梗塞を繰り返すなどして意思の疎通が難しいといい、8日は出廷しなかった。
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時事通信 / 2019年2月8日 14時3分