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狙いはシェア増 「関心引くタイトル」重視
琉球新報のファクトチェック取材班が入手したウェブサイト「netgeek(ネットギーク)」の“手引書”。その「netgeek編集ルール」には文体のルールや編集画面の操作方法に加え、数多く共有されるための技術も書かれていた。重要視していたのは記事の「タイトル」の付け方だ。「編集ルール」には「タイトルが面白いとそれだけでシェアされる」と強調している。
(1)注目されるキーワードを入れる(2)大げさにする(3)「衝撃の結末が」など、ついクリックしたくなる(内容の)隠し方をする―など、タイトルを付けるこつも示されていた。
この編集ルールに沿って実際に書かれた記事やタイトル、フェイスブックの記事説明文には、ネット上での炎上を狙っているとしか思えない表現が散見される。
例えばネットギークが2016年10月に発信した「沖縄のヘリパッド建設に反対している団体の正体、解散したはずのSEALDsと判明」というタイトルの記事がある。
この記事は、米軍北部訓練場のヘリコプター離着陸帯(ヘリパッド)の建設に反対する市民団体が結成された際に書かれていた。記事中には団体に参加した自由と民主主義のための学生緊急行動「SEALDs」(シールズ)のメンバーの写真が並べられ、氏名や大学名なども記されている。
そして、ネットギークがフェイスブックに発信したこの記事に対する書き込みでは「オウム真理教予備軍のお前らの顔と名前は覚えた」などと書かれている。この記事に3689人が「イイネ」のボタンを押し、共有は483件に上っていた。
「SEALDs」の学生を「オウム真理教予備軍」とするのは明らかな虚偽だ。基地建設の抗議行動に対する偏見をあおり、個人情報をネットにさらしている。
その一方で「編集ルール」の末尾には、執筆者に向けて「運営者にかかわる情報は一切漏らさないこと」と記している。収益のために他者を攻撃しつつ、自らの正体を必死で隠そうとするネットギークの実態が浮かび上がる。
ソース
収益目的で攻撃 沖縄フェイクを追う /沖縄 - 毎日新聞
https://mainichi.jp/articles/20190106/rky/00m/040/004000c