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■2018年の不自然な“上方修正”
ところが昨年、厚労省は抽出した調査結果を全数検査に近づける統計処理をしている。計算上、東京の3分の2も反映するので当然、賃金額はアップする。
「昨年1月以降、0.6~0.7%程度、勤労統計の賃金が上がりました。1月は定期昇給もなく、上がる時期ではなく、私を含め不自然さを指摘してきましたが、今回カラクリが分かった格好です。統計処理をするなら、過去の分も行うか、『今回分は統計処理をした』と断らなければ、純粋に賃金が上がったように見えてしまいます。実際、内閣府は18年の賃金上昇をアベノミクスの成果として喧伝していました」(経済評論家の斎藤満氏)
安倍首相は14年の春闘から企業に賃上げを求めてきたが、思ったように上がらない。シビレを切らした安倍首相は、18年春闘に向けて、初めて「3%」という具体的な数値目標まで口にした。
(続く)