「その手があったか」――。傍聴席からは、ため息交じりにこんな声が上がったという。13日、大阪地裁で森友問題をめぐる注目の裁判が開かれた。大阪・豊中市議の木村真氏らが、国有地の売却額を非開示とした国の決定を違法として、国家賠償を求めている訴訟の口頭弁論だ。
前回(9月25日)の口頭弁論で、松永栄治裁判長は「非開示決定にどう関わったかを証人尋問で尋ねたい」として、森友と国有地売却の交渉を担当した財務省近畿財務局職員の池田靖管財総括第3課長を証人採用する方針を示した。
池田氏はFNN(フジテレビ系)で、森友の籠池前理事長に対して「1億3000万円を下回る金額にはならない」などとやりとりする音声テープが公開されるなど、疑惑の全容を知るキーマン。松永裁判長は前回、原告に尋問内容を絞るよう求め、被告の国も池田氏の証人採用に同意する姿勢を見せていたのだが、今回の弁論で国は態度を一変。「池田氏は心身不調のため、出廷できない」と突っぱねたのだ。
確かに重病であれば証言は難しいだろう。ところが、原告によると、池田氏は休職もしていないというのだ。口利きワイロ疑惑が発覚した途端、「睡眠障害」を理由にマスコミから逃げた甘利明元経済再生担当相とソックリだ。原告代理人の大川一夫弁護士がこう言う。
「病気の理由について、森友問題と関係あるのかを問うと、国は『そうだ』と認めました。森友問題では、病人だけでなく自殺者まで出ているのです。あらためて相当ひどい事件だと思いましたね。国は次回の弁論で(池田の)診断書を出すとしていますが、どうなるか」
裁判長の命令すら無視する「アベ政治」を許してはいけない。
ソース
森友問題のキーマン 体調不良を理由に「出廷拒否」の仰天|日刊ゲンダイDIGITAL
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/241943