木村太郎
「あのね、行かなきゃいけないって話なんですよ。これは。あのね、今から45年前にね、オイルショックが起きた時、
日本のスーパーの棚からトイレットペーパーがなくなった。その時日本人が何言ったか。マスコミ何してたんだ!第
四次中東戦争伝えなかったじゃないか!伝えてたんですよ。だけどね、ほんとに手触りのある所まで伝えてなかっ
たから、だからあの後のオイルショックが読めなかったんだ。」
「僕はそれ見てね、中東記者なりたい人は手を挙げてって中東特派員になったんですよ。行ってみて分かった。そ
れはね、あそこは世界の火薬庫なんです。いっくらでも、爆発する要素が幾らでもある。でもそれはね、こんな小さ
な火種から起きるんです。それは人の憎しみで、憎しみが爆発していく。それを知らないとね、中東は読めない。そ
れを探りに行くのがね、記者の役目、記者の仕事なんですよ。だからこの人がやってるのは別に何も好奇心から
行ったんじゃなくて日本が知らなきゃいけない事をね、調べに行ったわけで、この人に自己責任なんて筋違いです
よ。謝らしちゃいけない。」