【10月16日 AFP】(更新、写真追加)米マイクロソフト(Microsoft)の共同創業者ポール・アレン(Paul Allen)氏が15日、がんの合併症で死去した。65歳。家族が明らかにした。
アレン氏は1970年代にビル・ゲイツ(Bill Gates)氏とともにマイクロソフトを創業。退社後は投資家や慈善家などとして活動してきた。2週間前、9年前に寛解した難治性の病気、非ホジキンリンパ腫の再発を公表したばかりだった。
アレン氏の妹、ジョディー・アレン(Jody Allen)氏は声明で「兄はあらゆる面で優れた人でした。ポール・アレンのことをテクノロジーの専門家、慈善家として知っている人が多いでしょうが、私たちにとっては最愛の兄、おじ、そして特別な友人でした」と述べている。
「ポールの家族や友人は、彼の機知や温かさ、彼の心の広さや深い思いやりを身をもって知る幸運に恵まれました」と振り返り、「私たちは他の多くの人と同様、喪失と悲しみの中にありますが、彼が日々示してきた気遣いと思いやりに心から感謝しています」と続けた。
アレン氏はこれまで自身が設立した投資会社バルカン(Vulcan)で事業や慈善活動を行ってきたほか、科学研究機関「アレン研究所(Allen Institute)」でも積極的に活動してきた。
資産家としても知られ、経済誌フォーブスによると純資産額は推定203億ドル(約2兆2700億円)。米プロフットボール(NFL)「シアトル・シーホークス(Seattle Seahawks)」、米プロバスケットボール(NBA)の「ポートランド・トレイルブレイザーズ(Portland Trail Blazers)」を所有し、米メジャーリーグサッカー(MLS)の「シアトル・サウンダース(Seattle Sounders)」の共同所有者でもある。
また、海底探査チームも率い、第2次世界大戦(World War II)中に撃沈された旧日本海軍の戦艦「武蔵(Musashi)」や、米空母レキシントン(USS Lexington)の残骸などを発見した。
マイクロソフトのサトヤ・ナデラ(Satya Nadella)最高経営責任者(CEO)は、アレン氏による「私たちの会社、産業、コミュニティーに対する貢献はかけがえのないものです」と表明。
「彼はマイクロソフトの共同創業者として、持ち前の落ち着きと忍耐強さで、魔法のような製品や体験、組織を生み出しました。そうすることで世界を変えたのです」とたたえた。
アレン氏は生涯結婚せず、子どももいない。(c)AFP
http://www.afpbb.com/articles/-/3193388