サウジ記者「殺害」、アップルウォッチ関連のうわさはあり得るのか(BBC News)
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20181015-45860113-bbc-int
10/15(月) 15:08配信
ローリー・ケスラン=ジョーンズ、BBCテクノロジー担当編集委員
サウジアラビア人記者が在イスタンブールのサウジアラビア総領事館を訪れた10月2日を最後に行方不明で、殺害されたとみられている問題で、ジャマル・カショジ記者が腕にしていたアップルウオッチが一部始終を録画していたといううわさが出回っている。私には、かなりあり得ないことのように思える。
トルコ紙サバーが最初に伝えたこの話を、複数の報道機関がその後、取り上げた。
サバーによると、カショジ記者はアップルウォッチの録音機能を起動してから、サウジ総領事館に入った。それによって、アップルウォッチは記者の「尋問と拷問と殺害」の様子を記録し、総領事館の外で待つ婚約者が持つ記者のiPhoneと、アップルのiCloudに送信したというのだ。
記事はさらに、襲撃犯たちは記者の時計に気づき、暗証番号を当て推量で入力した後、カショジ記者の指を使ってロックを解除したと書いている。ロック解除後は、すべてではないが一部のファイルを削除したと。
まずこの最後の点を否定しておこう。アップルウォッチは、アップルの指紋認証「タッチID」システムを使わないので、指紋でのロック解除は不可能だったはずだ。アップルウォッチがペアリングされているiPhoneを指紋でロック解除すれば別だが、記者のiPhoneは領事館の外にあった。
この点がおかしいので、私はこの記事全体を疑っているのだが、とりあえずアップルウォッチの「録音機能」について検討してみよう。これはアップルウォッチに標準装備されていないが、録音できるようになる第三者アプリがいくつかある。カショジ記者がこのいずれかをインストールして、総領事館に入る前に録音を開始していたというのは、あり得る話だ。