沖縄県知事選(30日投票)で、名護市辺野古の新基地建設を事実上容認する立場から出馬している前宜野湾市長の佐喜真淳氏=自民、公明、維新、希望推薦=。過去に改憲右翼団体の日本会議(沖縄県本部)などが呼びかけた集会であいさつしたことから、タカ派的な傾向を疑う声が改めて高まっています。知事選を前に「(日本会議の)メンバーではない」と否定した佐喜真氏ですが、市長時代には「私も加盟している一人」と議会で明言していました。
自身の選挙母体の事務所びらきが那覇市で行われた8月24日、佐喜真氏は記者団の囲み取材で「私はメンバーでもないし、現在でもメンバーでない」と、過去を含め日本会議に所属した事実はないと強調しました。
ところが、佐喜真氏が市長に初当選後の2012年6月27日の議会定例会で、桃原功(とうばる・いさお=結・市民ネットワーク)市議が日本会議の活動を続けていくかどうかなどについて質問したところ、佐喜真氏はこう答えていました。「私も日本会議に加盟している一人ではございますけれども、これからの行動につきましては日本会議が持つさまざまな政策、あるいは施策等々について吟味しながら、同意できるものに対してはやっていきたい」(宜野湾市会議録)
この答弁は虚偽だったのか―。桃原市議は「有権者を愚弄(ぐろう)するもので許されるものではありません。有権者にうそをつかないことを第一にするべき政治家としての資質が問われます。こんな人を県政のトップに選んでいいのか」と強く憤ります。
14年5月10日、佐喜真氏は宜野湾市内で開かれた「祖国復帰42周年大会」に出席。日本会議沖縄県本部をはじめとする実行委員会が呼びかけ、戦前の国民を侵略戦争に駆り立てた教育勅語を保育園児に唱和させるなど右翼的色彩を強く帯びた集会でした。「閉会の辞」で佐喜真氏は「42周年を機に、さらに私どもは日本人としての誇りを持たなければならない。このような式典を行われたことを心よりお祝い申し上げ(る)」と述べ、集会を締めくくりました。
安倍自公政権から全面的な支援を受けて知事選に臨みながら、政府が強行する名護市辺野古の新基地建設への賛否には沈黙を続け、「中立」でもあるかのように立場を装う佐喜真氏。今回、過去の発言を完全に覆してまで自身の右寄りの姿勢を隠そうとする態度は、“辺野古隠し”にも通じるものがあります。
ソース
佐喜真氏、市長時代に答弁/改憲右翼団体の日本会議 「私も加盟」議会で明言/沖縄知事選
https://www.jcp.or.jp/akahata/aik18/2018-09-15/2018091502_03_1.html