総裁選めぐり自民党がマスコミにまた圧力文書! 「安倍と石破を同じ分量で出せ」と迫り、石破の露出を潰す卑怯作戦
http://lite-ra.com/2018/08/post-4215.html
●自民党がテレビ・新聞の総裁選報道に不当介入!「公平・公正」圧力
党内の代表選とはいえ、今回の総裁選は実質的に次期総理大臣の座を競う選挙だ。しかも、安倍首相は出馬表明で昨年の総選挙の結果をもち出し、「国民のみなさまの負託に応えていくことは私の責任」と述べた。だが、その総選挙後に森友公文書改ざんや加計学園の「首相案件」文書といった大きな疑惑が出てきたのだ。そうであるかぎり、現職の安倍首相は国民の疑問に答え、対抗馬の石破氏と討論して方針を説明する義務がある。
にもかかわらず、そうした場をもつことなく党内の会合にばかり出席し、国民に向かっては「新たな国づくりを進めていく」などという中身のない薄っぺらな出馬表明しかしていない。そればかりか、立候補者として安倍首相の政策を批判する石破氏を口封じしようと言うのだから、恥知らずにも程がある。
そもそもこの総裁選では、約6年にわたる安倍首相の政権運営や政策などについてあらためて広く検証される必要があるのは当然の話だが、この調子だと、そうした当たり前の検証さえ「石破氏を利する報道だ」などと不当な横やりを入れてくる可能性は高いだろう。
しかも、最大の問題は、メディアに圧力をかけて石破氏が主張する場を潰そうという、そのやり口だ。
ご存じの通り、安倍首相は2014年の総選挙前に出演した『NEWS23』(TBS)での街頭インタビューに対して「厳しい意見を意図的に選んでいる」と陰謀論まがいの主張をまくし立て、その2日後、在京テレビキー局の編成局長、報道局長宛てに〈公平中立、公正な報道〉を要求する文書を送りつけた。「自民党に批判的な報道をするな」と圧力をかけたのだ。
実際、この脅しは効果てきめんで、その後、選挙以外でも安倍政権に対する批判はどんどんと影を潜めていった。こうした状況に、国連特別報告者であるデイヴィッド・ケイ氏(米・カリフォルニア大学教授)は「政府による『中立性』と『公平性』への絶え間ない圧力が、高いレベルの自己検閲を生み出しているように見えます」(「国際連合広報センター」ウェブサイト2016年4月19日付より)と警鐘を鳴らしている。