株取引AI、なぜか日本株の運用だけ苦戦する 識者「今の日本株の動きは過去のデータが通用しない」 #2

2番組の途中ですがアフィサイトへの転載は禁止です:2018/08/31(金) 09:52:10.46 ID:???

 なぜ日本株の運用にだけAIは苦戦しているのか。

 三菱UFJ国際投信が昨年2月に設定した「AI日本株式オープン」は、三菱UFJ信託銀行と同行傘下の三菱UFJトラスト投資工学研究所(MTEC)が投資助言するAIファンドだ。現物株を買い持ちにする一方で先物を売り建てるマーケットニュートラル型のファンド。設定来の運用成績はマイナス3%だ。

 先物の売り建て比率はAIの予想に従って機動的に修正し、こちらはうまくいっている。問題は個別株の選別だ。AIが企業の定量データや開示情報を読み込んで組み入れる高配当株を選別しているが、足を引っ張っている。「2月や5月が典型だったが、本来相場の下げに強い高配当株がここまで下げるのは経験上あまりなかったことだ」。三菱UFJ信託銀の岡本訓幸・資産運用部チーフファンドマネージャーはいう。

https://www.nikkei.com/news/image-article/?R_FLG=0&ad=DSXMZO3480706030082018EN1002&dc=1&ng=DGXMZO34790190Q8A830C1EN1000&z=20180830
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 MTECは「日本一優秀なクオンツ部隊」(関係者)と呼ばれる。そんな精鋭たちが開発したAIでさえ、このマーケットでは苦労しているというわけだ。

 「今の日本株はAIモデルが精緻で質が高いほど、学習するデータが膨大であるほど成績が悪化する」。クオンツ運用に詳しい智剣・Oskarグループの大川智宏氏は指摘する。

 AI運用とは過去のデータを自ら学習し、人間には発見できない過去の相場つきの特徴や傾向に沿って銘柄を選別する。それが苦戦しているということは、日本株の動き方が過去の経験則通りに動いていないということを示唆している。

 「どういうスタイルや戦略で運用するかは人間が決めること。AIそのものの有効性は崩れていない」。三菱UFJ信託銀の岡本氏はいう。このAIファンドは安定高配当モデルに沿って中長期で運用するという戦略を定められており、AIはデータを選べない。だが今後も経験則通りに相場が動かないとすれば、適切なデータを入力しようともAIは相場に勝てない。そんな局面に日本株が差し掛かっているとすれば、人間にとっても非常に厄介だ。

(了)

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO34790190Q8A830C1EN1000/
証券部次長 川崎健
2018/8/30 19:17 日本経済新聞 電子版

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