防護服姿に批判、少年像撤去へ…市長が減給意向
福島市の教育文化施設「こむこむ」前に市が設置したモニュメント「サン・チャイルド」について、木幡浩市長は28日、臨時の記者会見を開き、速やかに撤去する考えを明らかにした。除幕式からわずか25日後の撤去判断。「心を痛めたり不快な思いをされた方々に、心からおわび申し上げる」と謝罪した。
記者会見で木幡市長は、「賛否が分かれる作品を『復興の象徴』として設置し続けるのは困難と判断した」と撤去の理由を説明した。今後については「市には美術館がなく、見たくない人が見なくて済む場所を確保するのは難しい」と話した。準備が整い次第、解体・撤去して市の施設で保管し、その後の扱いを検討する。
その上で木幡市長は、今回の問題の責任を取り、自らの給与を減額する意向を示した。
モニュメントについては、3日の除幕式後から「福島市が、防護服が必要なほど汚染されていたと誤解される」「防護服姿を見るだけでもつらい」といった批判が相次ぎ、市が今後の取り扱いを検討していた。
急きょ市は18~27日の間、同施設内でアンケート調査(自由記述)を実施。計110件の意見が寄せられ、設置に「賛成」が22件、「反対」75件、「その他」13件あった。また、市政への意見を電子メールで伝える「市長直通便」にも計18件が寄せられ、「賛成」3件、「反対」13件、「その他」2件だった。
モニュメントは現代美術家ヤノベケンジさんの作品。黄色の防護服姿のような格好をした少年像(高さ6・2メートル)で、胸元の放射線測定装置が「000」と表示している。
ヤノベケンジさんは28日、「苦しむ市民がおられるならば撤去し、展示を取りやめた方がよいとの結論に至りました。不快に思われた市民の皆様、応援してくださった市民の皆様に、改めておわびを申し上げます」とコメントした。
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