サイエンス誌があぶり出す「医学研究不正大国」ニッポン
全米科学振興協会(AAAS)が発行する、世界を代表する科学週刊誌サイエンスに掲載された絵は、日本を強く意識させるものになっていた。
「嘘の大波(TIDE OF LIES)」と題されたその記事は、サイエンスの2018年8月17日号に掲載された。紙面では見開き2ページに渡り、上述の北斎風の絵が掲載されている。
記事は骨の研究者で医師の佐藤能啓氏を取り上げている。
佐藤能啓氏は、骨折とビタミンなどに関する大規模な臨床試験を行ったとして論文を発表してきた。佐藤氏の論文はほかの論文にも引用され、骨折予防の治療指針の根拠となっていた。その論文にデータの捏造、改ざんという研究不正(研究ネカト)があったのだ。
本学の元医学部教授が筆頭著者である論文14本に研究不正行為があったことが認められました。研究者は、科学研究の成果の正確さや正当性を科学的に示す最善の努力をはらわなくてはなりません。このたび、調査対象の研究論文14本に不正が認定されたことは、社会からの信頼を損なうことです。調査結果を真摯に重く受け止め、深くお詫び申し上げます。
出典:弘前大学 研究活動の不正行為に関する調査結果について
弘前大医学部の元教授が論文不正 症例数などデータ捏造
佐藤能啓、佐藤敬 弘前大学学長らの研究の悪質さについて
佐藤能啓、佐藤敬 弘前大学長らの33論文に対する不正や不適切さを調査した論文発表!
記事は、佐藤氏の研究ネカトを「科学史上最大」とさえ言う。
記事を書いたのはカイ・クーパーシュミット記者。佐藤氏の論文に疑義を持った英国の研究者、アリソン・アヴェンル氏の軌跡を追い、論文が撤回されていく過程を追う。
そのなかで、日本の研究環境の異常さが明らかになっていく…
撤回論文数上位10人の半数は日本人
記事は、論文監視サイト「リトラクションウォッチ」が作成した、撤回論文数の研究者別ランキングを引用し、研究論文の5%しか作成していない日本人が、撤回論文が多い研究者上位10人のうち半分の5人を占めることを指摘する。
Scienceによると研究不正の世界トップ10の半分は日本人研究者だった
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続きは
https://news.yahoo.co.jp/byline/enokieisuke/20180822-00094058/
榎木英介 | 病理専門医かつ科学・技術政策ウォッチャー
8/22(水) 15:19