「ダーン」という衝撃音とともに住宅の窓ガラスが割れた。桜川市富谷の「五月女(そうとめ)鉱業」の砕石場で二十三日に起きた爆発で、付近の民家にも被害が出た。近くには保育施設などもあったが、これまでのところ、住民のけがは確認されていない。大きな音とガラスを破る衝撃波に、住民は「爆弾が爆発したのか」などと驚いていた。
同市富谷の無職高橋みつさん(83)さんは「ダーンという音がして、心臓が止まるかと思った」と振り返る。衝撃で、自宅一階の窓ガラスが割れたという。
近くの為我井(ためがい)武市さん(86)は「砕石場で発破を使うときは、ドドドドと、こもったような音がする。今回は、バチャーンと、爆弾が爆発したような音がした」と説明。窓から外を見ると、黒い煙が上がっていたという。
同市岩瀬の飲食店経営者中野浩徳さん(51)は「ガス爆発の音を聞いたり、事故の現場に居合わせたりしたこともあったが、そのときの音と全然違った」という。音を聞き外に出て、黒い煙が上がっているのを見て、携帯電話で撮影した。
近くのパート近納(こんのう)光子さん(68)は爆発当時、留守にしていた。「お盆前に掃除したのに、床にほこりやすすが落ちて汚れていた。ガラスも割れていて、何事かと驚いた。孫が通う幼稚園でも被害があり、トラウマ(心的外傷)にならないか心配」と話した。二つの離れの窓ガラスが割れて、敷地内に破片が散乱していた。
県のまとめでは、周辺の住宅約四十戸や桜川消防署の窓ガラスが割れたのを確認した。砕石場の東四百メートルに、星の宮幼保園があったが、園児らにけがはなかったという。
◆石や砂利の産地が集中
五月女鉱業が入会している桜川市商工会によると、市内の真壁地区は墓石などに使われる真壁石の産地として知られるが、事故現場の富谷周辺はアスファルトやコンクリートに適した石や砂利が取れるという。
石を採るには、山を削るため火薬で発破する作業があるが、商工会の経営指導員の渡辺徳子さんは「富谷周辺でこういう事故は、これまで聞いたことがない」と話した。
県によると、作業中に爆発に巻き込まれた男性は、発破を専門とする埼玉県秩父市の会社の社員で、火薬類取り扱い責任者だったとみられる。
ソース(複数写真あり)
東京新聞:桜川砕石場爆発 40戸で窓ガラス割れる 付近の住民「心臓とまるかと」:茨城(TOKYO Web)
http://www.tokyo-np.co.jp/article/ibaraki/list/201808/CK2018082402000167.html