ロシアが北方領土の軍備強化を加速する姿勢を鮮明にしている。ロシア極東サハリン州のメディア「サハリン・インフォ」は3日、択捉島にロシア空軍のスホイ35S戦闘機が試験配備されたと報道。日本政府は抗議したが、ロシア側は「(北方領土は)ロシア領だ。いかなる抗議も根拠がない」(上院議員)と反発している。
サハリン・インフォによると、戦闘機が試験配備されたのは択捉のヤースヌィ空港。記事とともに掲載された写真には戦闘機3機が駐機する様子が写っている。
ロシア政府は今年1月、同空港を軍民共用とする政令を出しており、サハリン・インフォは「試験配備は本格的な配備に向けた第一歩だ」と伝えた。択捉には旧ソ連時代はミグ戦闘機が常駐していたが、ソ連崩壊後に撤収した。スホイ機が本格配備されれば、それ以来の常駐となる可能性がある。
7月31日にモスクワで開かれた日ロの外務・防衛担当閣僚協議(2プラス2)で、日本側は北方領土の軍備強化などについて「冷静な対応」を要請していた。今回も外交ルートを通じて抗議したが、ロシアが意に介する様子は見られない。
インタファクス通信によると、ロシア上院国防安全保障委員会に所属するクリンツェビッチ上院議員は6日、北方領土はロシア領と主張した上で「軍事インフラの強化に関し、われわれが誰かに意見を仰ぐことはない」と強調した。地元行政当局者も7日、インタファクス通信に対し「抗議は日本政治の伝統だ」と述べ、挑発するような発言を行った。
ソース
ロシア、北方領土の軍備強化加速=戦闘機配備か、抗議にも反発:時事ドットコム
https://www.jiji.com/jc/article?k=2018080800689&g=pol