2023年春に開業予定の北陸新幹線金沢―敦賀の建設費に関し、国土交通省が現在の計画より2千億円超膨らむと試算していることが25日、分かった。人件費の高騰や消費税率の引き上げなどが要因で、沿線の石川、福井両県と国は追加の財政負担を迫られる。
国交省は12年6月に同区間の着工を認可した。建設費は現行計画で1兆1858億円。上振れ見込みになったのは、人件費や消費税増税のほか、東日本大震災を受けて耐震性を強化したことが影響した。近く北陸新幹線に関する自民党の作業部会に報告する。
建設費の財源は、JR西日本が国側に支払う貸付料を充て、残りの3分の2を国が、3分の1を石川、福井両県が負担する。少なくとも数千億円規模とされる貸付料の金額は開業時に正式に決まるため、石川、福井両県の負担額は固まっていないが、建設費が増加すれば財政負担も膨らむ。
国交省は国負担分を賄うため、18年度補正予算か、19年度以降の当初予算で費用計上を要求する方針だ。
福井県内では北陸新幹線建設工事が進み、今後工事用の生コンクリートの供給が不足するなどの懸念が強まっている。
北陸新幹線は東京から北陸経由で大阪に至るルート。国が1973年に整備計画を決定。長野冬季五輪開幕前の97年10月に東京―長野が先行開業し、2015年3月に金沢まで延伸した。未着工の敦賀(福井県)―新大阪は、福井県小浜市や京都市を通るルートが確定しているが、2兆1千億円に上る建設費の財源が確保できておらず、着工時期のめどは立っていない。
http://www.fukuishimbun.co.jp/articles/-/628643