受動喫煙対策を巡る国会審議中、参考人として出席した肺がん患者の発言中に暴言ヤジを飛ばした自民党“魔の3回生”穴見陽一衆院議員(48)。日刊ゲンダイは、6月22日発売号で「穴見議員 政治資金“還流”疑惑浮上」と報じた。
穴見氏が代表の資金管理団体の収支報告書(14~16年分)を調べたところ、団体が穴見氏から借金し、その返済とは別に「利息」を穴見氏本人に支出したという不可解なカネの動きがあったからだ。穴見事務所は日刊ゲンダイの質問に「法定の記載事項以上の詳細に関しては回答していない」と、ダンマリを決め込んだ。
そこで日刊ゲンダイは6月末、穴見氏の地元・大分県の選挙管理委員会に対し、資金管理団体と政党支部の収支報告書に添付された領収書コピーの開示を請求。今月17日に開示された領収書コピーを見ると、さらに不可解な事実が浮かび上がった。
例えば、14年5月9日付の「利息」受領の領収書。宛名に支出者である資金管理団体の名称があり、金額は10万円の記載。受け取り側には「会社名:穴見陽一」と記され、本人の自宅住所が記されている。資金管理団体は14~16年に各40万~44万5000円、政党支部は14年に58万円、15年に45万円を「借入利息」などとして穴見氏本人に支出。38枚もの領収書は全て同じ形式で印字されている。
「穴見陽一」という個人名を会社名にして、何十枚も領収書を出して自分の資金管理団体から利益をもらうなんて、どう考えてもおかしい。まるで“錬金術”だ。改めて穴見事務所に問い合わせたが、返答はなかった。
「利息の支払先が会社法人とは思えない穴見氏本人になっているとは、不可解です。そもそも、資金管理団体や政党支部が、借金しなければ資金繰りに困る状態ならば、利息など支払うこと自体がおかしい。原資の一部に税金が含まれる可能性もあるので、法的瑕疵がなくとも控えるべきでしょう。少なくとも、利息を議員本人に支出した理由は説明すべきです」(政治資金に詳しい神戸学院大教授・上脇博之氏)
さすがは“魔の3回生”である。
会社名が「穴見陽一」の領収書
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