「150兆ウォン(約15兆円)の金塊が積まれた宝船が発見された」。17日の韓国株式市場は「宝物株」
のニュースに揺れた。17日、シニルグループは「鬱陵島付近の海底で、ロシアの装甲巡洋艦ドミトリー・ドンスコイを
発見した」と発表した。同艦は1905年の日露戦争に加わり、鬱陵島沖で金塊・金貨150兆ウォン相当を
積んだまま沈没したといわれる「伝説の宝物船」だ。シニルグループは「今月14日に慶尚北道鬱陵郡
苧洞里の沖1.3キロの海底で同号を発見し、15日に艦尾でDONSKOIIという艦名を発見、撮影した」
と発表した。
この発表により、17日のコスダック市場では第一製鋼の株価が前日より30%も高い4160ウォン(約415円)
で取引を終え、上限価格を記録した。シニルグループは第一製鋼の親会社だ。巡洋艦ドンスコイのニュースが
韓国の株式市場を揺さぶったのは、今回が初めてではない。2010年にも東亜建設が「ドンスコイを
引き揚げ中」と発表、17日連続で上限価格を記録したが、事実無根だったことが判明した。
証券街では、第一製鋼の株価急騰に対し疑いの目を向けている。第一製鋼の株価急騰が、
今月初めのシニルグループによる買収とちょうど同じ時期に起きているからだ。
巡洋艦ドンスコイは砲撃を受け、艦尾がほとんど破損した。艦首は水深430メートルの海底に横たわり、
後部は水深380メートルの所で海面を向いた状態だという。シニルグループのチン・ギョジュン現場技術諮問
委員(68)は「今回の発見で、ドンスコイの存在と沈没位置を巡る論争には終止符が打たれた。
艦尾を除き、木でできた上甲板や船体側面の装甲など、船体の大部分は保存状態良好」と主張した。
専門家らは、同艦の実体や金塊が存在するかどうかについては、もっと確認が必要だと指摘して
いる。引き揚げが実際に可能かどうかも未知数だ。ドンスコイ引き揚げのためには、浦項地方海洋
水産庁の許可を受けなければならない。また「国有財産に埋蔵された物件の発掘に関する規定」に
基づき、埋蔵物の推定価格の10%以上に該当する発掘保証金を納付しなければならない。巡洋艦
ドンスコイの場合は15兆ウォン(約1兆5000万円)だ。シニルグループでは、引き揚げ資金に充当するため
仮想通貨を販売するという。
金塊が実際に発見されたとしても、所有権がシニルグループに渡るかどうかは、あらためて確かめて
みなければならない。ロシアの軍艦なので、ロシアが所有権を主張できる。
シニルグループは、今月30日に鬱陵島で引き揚げた遺物や残骸の一部を公開し、9-10月ごろ本体を
引き揚げる計画だという。
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▲今月14日に鬱陵島沖で発見された「ドミトリー・ドンスコイ」の船体。艦名「DONSKOII」が読み取れる。
下の写真は、沈没前のドミトリー・ドンスコイの姿。/写真提供=シニルグループ
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2018/07/18/2018071800655.html