「核とミサイルを解決をした後は、しっかりと拉致問題を北と日本で解決する」――。先月30日、徳島市の講演で河野太郎外相がポロリと漏らした。「拉致最優先」を掲げる安倍政権の方針に反する発言に聞こえるが、河野は本音を語っている。拉致問題の優先度が低いことは日米“密約”で合意済み。安倍首相は、拉致問題に取り組むポーズを演出しているだけなのだ。
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冒頭の河野発言は、マティスと会談した翌日に飛び出している。河野外相は米側の「非核化の後に拉致」という提案にヤスヤスと「了」を出したのではないか。
さらに、3日付の朝日新聞は米朝関係筋の話として、5月末、訪米中の金英哲朝鮮労働党副委員長が、ポンペオに「日本人拉致問題は解決済み」「日朝間ですでに終わった問題だ」と語ったと報じた。
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■誰も何もしない安倍政権
北の「解決済み」との立場は、米朝会談前に米国もじかに確認し、日米で共有していたのである。それでも、トランプが首脳会談で拉致問題を取り上げると、進展したかのように大ハシャギの安倍首相は「今後もトランプ氏の強力な支援を得ながら、日本は北朝鮮と直接向き合い、解決していかなければならない」と語っている。
「安倍政権が本気で拉致問題を解決したいのなら、日朝の協議を始めるために、河野外相はすぐにでも平壌に飛ぶべきです。ポンペオ氏は今回の訪朝で3度目ですよ。さらに、安否の共同調査のための連絡事務所を平壌に置くことも北朝鮮は拒否しないでしょう。結局、解決に向けて、できることはいくらでもあるのに、安倍政権は、誰も、何も行動を起こしていないのです。拉致問題の優先度が低いとみられても仕方がありません」(元外交官・天木直人氏)
安倍首相は5日、拉致被害者の曽我ひとみさんと面談し、早期解決を目指す意向を示すという。もう、「意向」はいいから「行動」で示せよ。
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河野外相も本音語る 日米「拉致は後回し」密約で合意済み|日刊ゲンダイDIGITAL
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