処分が課題、トリチウム水を除去する新技術開発
6/28(木) 18:44配信
放射性物質のトリチウム(三重水素)を含む水を除去する新技術を開発したと、近畿大学などの研究チームが発表した。東京電力福島第一原子力発電所では、汚染水から放射性物質を取り除いているが、トリチウムだけは除去できず、残った処理水(トリチウム水)の処分が課題となっている。研究チームは「トリチウム水の処分に貢献したい」と話している。
トリチウムは通常の水素原子に中性子が2個付いた放射性物質で、通常の水とトリチウム水を分けることは難しい。
近畿大工学部の井原辰彦教授(無機材料)と、アルミ箔(はく)製造会社「東洋アルミニウム」(本社・大阪市)などの共同研究チームは、アルミ粉末を材料に、直径5ナノ・メートル(ナノは10億分の1)以下の小さな穴(微細孔)が無数にあるフィルターを開発。トリチウム水の混ざった水を温めて蒸気に変え、フィルターに通すと、高率でトリチウム水を除去できたという。トリチウム水は水よりも分子が重く、動きにくいため、フィルターを通過しにくい可能性があると、同チームは推測している。
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