5月22日、フランスの有力日刊紙『フィガロ』が「日本政府にとって窮地・困惑」という見出しの記事を掲載した。そこには、是枝裕和監督が『万引き家族』がカンヌ国際映画祭の最高の栄冠「パルムドール」を受賞したことへの、安倍政権の対応について書かれていた。(参照:「LE FIGARO」)
同記事では、リードで「是枝監督がカンヌ映画祭でのパルムドール最高賞を受賞していたが、海外での受賞に絶え間ない賛辞を贈るはずの日本の首相は沈黙を保ったままだ」と書き、その理由として「映画監督(是枝氏)が彼らの映画作品やインタビューの中で日本の政治を告発してやまない」ことをあげている。
そして、本文はこう続く。
「海外での優秀な賞を受賞した日本国籍の人に対して、日本政府が称賛の意を慎むということは非常にまれだ。2016年のノーベル医学生理学賞を受賞した大隅良典氏、それに引き続いてノーベル文学賞を受賞したカズオ・イシグロ氏、そして、平昌冬季オリンピックでメダルを獲得した日本人選手たち、かれらはすべて安倍晋三首相から称賛され、賞を授与されたものもいる」
日本人が世界的な賞を受賞すれば、必ず賞賛してきた安倍首相だが……
なるほど、確かに安倍晋三首相といえば、平昌冬季五輪で羽生結弦・選手が金メダルの栄冠に輝いたときは、羽生選手にすぐさま電話を入れ、首相が電話している姿までわざわざ公表した。
さらには、いまは日本国籍ではない作家のカズオ・イシグロ氏が、ノーベル文学賞を受賞した時もそうだ。
「このたび、カズオ・イシグロさんがノーベル文学賞を受賞されました。誠におめでとうございます。長崎県長崎市のご出身で、小さい頃にイギリスにわたり、作家活動を行ってこられました。日本にもたくさんのファンがいます。ともに、今回の受賞をお祝いしたいと思います」というコメントを発表した。
安倍首相はさらに、東京工業大学の大隅良典栄誉教授がノーベル医学生理学賞を受賞した折には、公邸から電話し「日本人として本当に誇りに思う。日本人が3年連続で受賞し、イノベーション(技術革新)で世界に貢献できたことをうれしく思う」と祝福、会話の細かな内容までが報じられた。
カンヌ国際映画といえばベルリン国際映画祭、ヴェネツィア国際映画祭とあわせ、世界三大映画祭の一つである。そこでパルムドールを受賞した日本作品は1997年の今村昌平監督『うなぎ』以来で、21年ぶりの快挙だ。世界で栄誉を得た日本人を「誇り」として賛辞してやまなかった安倍首相は、今回ばかりは何故に沈黙を続けるのか?
(以下見出しのみ)
是枝監督は政府に批判的だから無視された?
フランスの保守系新聞が、日本の「自閉的」傾向を暗に批判!?
全文はソースで
カンヌ受賞の是枝裕和監督を祝福しない安倍首相を、フランスの保守系有力紙が痛烈に批判 | ハーバービジネスオンライン
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