福山市の市立中学校で4月、2年生の男子生徒が同級生のいじめにより手首の骨折など大けがを負っていたことが20日、市教委などへの取材で分かった。学校はけがやいじめを把握した後も、市教委への報告を怠っていた。
市教委や学校によると、男子生徒は4月16日、校内で同級生男子に追いかけられ、廊下の壁に突き飛ばされたり、うつぶせになった状態で腰に乗られ、肩を引っ張られるなどしたという。周囲に教員はいなかった。後日、左腕や両手首の骨折が分かった。
同市では生徒が校内で骨折などの大けがをした場合、速やかに市教委へ報告する必要があるが、学校は約1カ月後の5月15日になって報告。さらに学校が当事者2人へ聞き取りを行い、翌16日にけがの原因をいじめと認識したものの、市教委には報告していなかった。男子生徒の保護者が17日に市教委を訪れ、事情を説明した。
校長は取材に対し「報告を失念しており、申し訳なく思う。子どもたちが安心して生活できるようにしていく」と話した。
市教委は「報告の遅れは遺憾。学校を指導し、再発防止に努めたい」とし、けがをいじめ防止対策推進法が定める「重大事態」と認定。学校は校内に調査組織を設け、いじめが継続的だったかなどを調べるほか、全校生徒を対象にしたいじめについてのアンケートも21日に実施する。
(2018年05月20日 21時40分 更新)
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