長らく噂されていたYouTubeの定額音楽配信サービスがついに登場した。米現地時間5月17日、動画ストリーミングサイトYouTubeは、5月22日よりYouTube Musicをスタートすると発表した。これはスタンドアロンの音楽配信サービスで、広告支援の無料版と月額9.99ドル(約1,100円)の有料プレミアム版がある。
このYouTubeの新サービスの内容は、SpotifyやApple Musicなどの音楽配信サービスとほぼ同じで無料版ではプレイリストと数百万曲の公式音源、有料のプレミアム版ではこれに加えて無広告のオンラインサービスを提供する。さらに、再生した曲のYouTube上の公式ミュージック・ビデオとアーティストに関連したおすすめ動画も表示する。スマートフォン版とブラウザー版があり、ホーム画面は、ユーザーの履歴、ロケーション、その時々の活動に基づいて様々なオススメを表示するためにシンプルな仕様になっている。
YouTubeのグローバル音楽部門のトップであるライアー・コーエン、音楽製作部門トップのT・ジェイ・ファウラーは、自分たちが出遅れたことは承知しているが、重要なことはSpotifyのユーザーベースを奪うことなく音楽配信シーンの選択肢を増やすことであり、まだ音楽配信サービスを試していない音楽ファンを取り込むことだと言う。
コーエンがローリングストーン誌にこう説明してくれた。「業界は期待していると思う。それというのも、業界にはびこる大きな不安の一つが、ある日目が覚めたらレコード会社が2社しか残っていないってことだから。私たちはレコード会社との間にしっかりとしたつながりを作り、彼らのパートナーとして活動しようとしている。彼らの“YouTubeにビジネス、広告、定額配信に参入してほしい”という要望に応えるわけだ。彼らは両方の業界の未来は互いに協力し合うことにかかっていると考えているんだ」。
ローリングストーン誌のために行ったデモンストレーションで、コーエンとファウラーはこのサービスがユーザーのクセに合せる仕組みを見せてくれた。アプリを使用する頻度が上がるとプレイリストや推薦曲の順番が変更される。そして、YouTube Musicのユニークな機能の一つが、自動アップデートされるオフライン・プレイリストだ。これはユーザーが手動でインプットすることなく、一定数の曲を自動的に保存する便利な機能である。「この製品はストリーミング・サービスへの抵抗や不安を解消して、音楽の再生システムを究極なまでに簡単にする方向へ進化すると思う」と、ファウラーが教えてくれた。
YouTube MusicがGoogle Play Musicに取って代わるとファウラーは明言した。Google Play Musicの加入者は自動的にこの新サービスへアクセスできるようになると言う。また、同サービスのユーザーは、すでに購入済みの音楽、アップロードした音楽、プレイリストに「その後も問題なくアクセスできる」と公式ブログに記載されている。しかし、将来的にはこの2つのサービスは統合される予定のようだ。
ファウラーは、YouTube Musicのターゲット層は音楽配信サービスを一度も試していない音楽ファンと、動画・音楽・アーティストコンテンツを一つのサービスにまとめたいYouTubeファンだと言う。YouTubeとYouTube Musicは別個のプラットフォームだが、ユーザーデータは共有することになる。
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