森友学園問題と酷似 「麻生グループ」への土地無償貸与問題
2018.05.13 16:00
かつて「炭鉱の町」として栄えた麻生氏の地元・福岡県飯塚市では、市民の生活に欠かせない病院やスーパー、ガソリンスタンド、保育園から老人福祉施設まで、麻生氏が大株主である「株式会社麻生」を中心とするグループ企業が広く経営し、「麻生王国」とも呼ばれる。
その「王国」が“もうひとつの森友学園事件”ともいえる市有地の麻生グループへの“タダ貸し”問題で揺れていた。経緯を取材すると、森友学園問題と瓜二つなのだ。
まずは市議会でのやりとりを聞いていただきたい。飯塚では市議会で「麻生」がらみの問題が正面から議論されることは極めて珍しい。自民党議員が「上のほうは麻生グループなんですよ。だからそこのところまで僕は言いたくないんだけど」と述べるなど、デリケートな話題であることが窺える。議事録から抜粋する。
野党議員:「市有地を株式会社に無償貸与するのは極めて異例。有償貸し付けだとこの土地の賃料はいくらになる計算なのか」
市役所:「計算していません」
野党議員:「この麻生グループのわがままを受け入れる今回の議案を市の側は誰が決断したのか」
市役所:「市長の決定を得たものです」
問題の土地は、飯塚市の郊外に建つ「こども発達支援センター」の敷地だ。もともとは隣接する旧飯塚市立病院(現・頴田病院)の敷地の一部で、麻生グループが2008年4月に病院の経営を引き継いだ際、市との協定で発達障害児の支援センターを併設(建設)することになった。麻生側は病院と同センターの敷地(市有地)を市から7年間無償で借りて、建物を建てた後、時価で買い取る契約を結んだ。
ちなみに国会で追及されている森友学園は国有地を有料で借りた後、格安で払い下げを受けたことが問題になったが、一方の麻生グループは最初から市有地を無償で借り、その土地に自己資金で建物を建てて、「こども発達支援センター」を運営するNPO法人に月額20万円で貸してきたのである。
ところが、今年3月に土地の買い取り期限が来ると、麻生側は病院の敷地部分(約1万平方メートル)は約1億3000万円で買い取ったものの、時価約1000万円とされる支援センターの敷地部分(約834平方メートル)については市に無償貸与をさらに5年間延長するように要求した。
「弊社の経営状況は極めて厳しく、赤字での経営を余儀なくされてきたのが現状です。(中略)飯塚市の福祉行政を支えるために、平成30年4月1日からさらに5年間の期間延長をご了承頂けますよう、お願い申し上げます」(市長宛の「貸借延長のお願い」より)
あの麻生財閥が1000万円程度の金額を払えないというのも奇妙に聞こえるが、議事録はこう続く。
全文
http://www.news-postseven.com/archives/20180513_673400.html?PAGE=1#container