史上初の米朝首脳会談に向け、北朝鮮を巡る情勢が目まぐるしく動いている。再訪朝した米国のポンペオ国務長官は拘束された米国人3人の解放に成功。成果を手にしたトランプ大統領は大ハシャギで帰国を出迎えた。
その一方で、2年半ぶりの日中韓首脳会談でも対北圧力の維持を主張し、浮きまくっていたのが安倍首相だ。
国際社会が目指す朝鮮半島の安定から日本は切り離され、北朝鮮の脅威に怯える生活を強いられ続けるようだ。弾道ミサイルの着弾を警告するJアラートのテスト放送が来週、全国で一斉実施されるというからビックリしてしまう。
テスト放送の正式名称は「全国瞬時警報システム全国一斉情報伝達試験」で、開始は16日午前11時から。各自治体が設置した防災行政無線などを通じて「これはJアラートのテストです」というアナウンスが3回繰り返される。
今年度は8月29日、11月21日、来年2月20日の4回実施予定で、昨年度から倍増。金正恩朝鮮労働党委員長は核・ミサイル実験の中止を表明したのに、こんなテストが本当に必要なのか。
「機器の不具合をチェックする動作確認という目的がありますし、自治体からの要望もある。計画通り実施する予定です」(消防庁国民保護室)
テロを含む武力攻撃事態に備える国民保護訓練や弾道ミサイル発射を想定した住民避難訓練も各地で実施される。今年度の国民保護訓練は28都府県、避難訓練は11県が対象で、前年比約31%増の1・3億円の予算が組まれている。
「いずれの訓練も実施時期は未定ですが、訓練実施の必要性が急激に低下しているとの認識はありません。詳細が固まり次第、順次行う予定です」(内閣官房事態対処・危機管理担当)
政治評論家の山口朝雄氏はこう言う。
「安倍政権にとって、マトモな国家ではない北朝鮮という存在は何かと利用価値があり、あらゆる点で政治をやりやすくする装置なのです。北朝鮮情勢がどう展開しようが、トコトンまで脅威をあおり、国民に恐怖心を植え付け続ける腹積もりなのでしょう」
金正恩がハナもひっかけないわけだ。
ソース
昨年度から回数倍増 「Jアラート訓練」いつまでやるのか?|日刊ゲンダイDIGITAL
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/228750