学校法人「加計(かけ)学園」の獣医学部新設を巡り、衆参両院の予算委員会に十日、参考人招致された柳瀬唯夫元首相秘書官(現経済産業審議官)は、首相官邸で二〇一五年に学園関係者と三回面会し、国家戦略特区の活用を紹介したことを明らかにした。「学園を特別扱いしたとか優遇したとかは全くない」と強調したものの、特区を所管する内閣府幹部を官邸に呼んで説明を受けたことも判明。異例ともいえる厚遇ぶりが浮き彫りになった。
柳瀬氏の説明によると、官邸での面会は同年二~三月に一回と四月二日、六月前後の計三回で、学園側から申し入れがあった。愛媛県作成の文書によると、柳瀬氏は四月二日の面会で、「本件は首相案件」と説明したとされるが、「総理が早急に検討していくと述べている案件という趣旨」と説明。「今治市の個別プロジェクトが首相案件とは言っていない」と述べた。
これまで国会で学園との面会を明らかにしなかった理由について「加計学園の関係者と会った記憶はあったが、今治市の職員と会ったのかと質問を受けたので、それに対してお答えした」と弁明した。
文書には、安倍晋三首相と加計孝太郎学園理事長が会食した際に獣医学部新設が話題に上ったと学園関係者が語ったと記載されているが、「そのような会話があった記憶は全くない」と否定。学園との面会を安倍首相に報告したことは「一切ない」と断言した。
一方、二回目の面会となる四月二日の前には、内閣府の藤原豊・地方創生推進室次長(当時)から、国家戦略特区や獣医学部の解禁について説明を受けたと答弁。県作成文書によると、藤原氏は四月二日、学園関係者らと会い「要請の内容は総理官邸から聞いている」「かなりチャンスがある」と述べたとされる。
柳瀬氏は二~三月の面会の際は、学園側から構造改革特区での獣医学部新設が難航していることを告げられ、「新たに国家戦略特区が始まった」などと助言。六月前後の面会では、学園側から、県と市が国家戦略特区に申請したと報告を受けたという。
柳瀬氏は「国家戦略特区の関係で会った民間の方は加計学園だけだ」と明かしたが、「事業者選定は(一五年八月に)秘書官ポストを離れたずっと後で、私が選定に関与する余地は全くない」と述べた。
◆次は首相が答える番
「記憶にない」から「国会で誠実に答える」と軌道修正した柳瀬氏。この日の答弁から、国家戦略特区を活用した加計学園の獣医学部開設が、特別扱いだった疑いが濃厚になった。
続きはソースで
東京新聞:際立つ加計優遇 参考人招致で柳瀬氏「官邸で3回面会」:政治(TOKYO Web)
http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/list/201805/CK2018051102000129.html