今回の研究結果を発表したのは、アメリカの国際環境衛生科学研究所(NIEHS)である。
NIEHSの研究者J.Tyler Ramsey氏はこう語る。
「通常、エッセンシャルオイルは副作用がない安全な商品とみなされている。しかし、エッセンシャルオイルには環境中に存在する化学物質が含まれている。そのうちのいくつかが、内分泌攪乱物質として作用するのである。内分泌攪乱物質は、正常なホルモンの動きを妨げる可能性がある」。
具体的にいえば、ラベンダーとティーツリーのエッセンスは、女性ホルモンである「エストロゲン」同様の作用や男性ホルモンの働きを抑制する「抗アンドロゲン」として作用する可能性がある。つまり、乳房組織のテストステロンの値が下がり、結果、思春期前の男児に女性化乳房を引き起こすのだという。
●すでに10年前に報告されていたアロマと女性化乳房の関連性
研究者によると、ラベンダーとティーツリーのエッセンスが原因と推測される女性化乳房の症例は、増加の一途をたどっている。
すでに10年前、医学雑誌「ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシン」に発表された論文中で、4歳から10歳の男児に現れた女性化乳房の症状とふたつのエッセンスを使用したシャンプーや石鹸などとの関連性が指摘されていた。
しかし、この論文では研究者たちは継続的に症状とエッセンスの使用を観察しただけではなく、使用を中止したあとの経過も報告している。それによると、ふたつのエッセンスの使用を中止した数カ月後、女性化乳房の症状は自然治癒した。
https://www.zaikei.co.jp/article/20180404/435296.html