インド・ダラムサラにあるチベット亡命政府のロブサン・センゲ首相は、ダライ・ラマの後を継いでチベットの自由を求める
政治運動のリーダーとして世界各国を訪問している。2月20日、日本を訪問したセンゲに話を聞いた。
――SNSでジョカン寺院火災の動画、写真が伝えられたが、中国政府は検閲し、一般市民の情報発信を禁止している。
われわれに伝えられた情報によると、火災が起きたのは本殿ではなかった。
最悪の事態は免れたが、ジョカン寺はチベット人にとって最も重要な寺院であり、人々は心を痛めている。
08年もそうだったが、チベット人の抗議活動はジョカン寺から始まることが多い。
暴動につながりかねないとの懸念もあって中国政府は情報発信を制限したのだろうが、やましいところがなければ公開するべきだ。
チベット本土では外国のジャーナリストが取材できない状況が続いているが、国際社会に対する情報公開こそが人々の安心につながる。
また、ラルンガルゴンパ(編集部注:四川省西部のカンゼ・チベット族自治州にある仏教の教学施設。
1万人以上が学ぶ「世界最大の仏教学院」と呼ばれてきた)などチベット仏教寺院の取り壊しが続いている。
チベット人は自らの文化が失われることを懸念していることも付け加えておきたい。