前回のソチ大会から採用されたこの種目は選手層が薄い。W杯で30位以内などの基準(1カ国・地域最大4枠)を満たせば、五輪に出られる。彼女は今季、中国の大会で13位に入った。出場選手は、わずか15人。
しかし、出身国の米国は選手層が厚く、夢はかなわない。母方の祖父母がハンガリー移民だったことから、ハンガリー代表の座を射止めた。母が育ったベネズエラの代表の経歴もある。そり競技のスケルトンで五輪をめざした経験も。
米ハーバード大の修士号を持つ彼女は、なぜ五輪に執着するのか? 詳細は判然としない。米ヤフーの取材に「私の人生は五輪サイクルで回っている」と語る。遠征費を稼ぐのに1日18~20時間も働いたこともある。必死なのは確かだ。
ルールの「抜け穴」を使って五輪に出るなんて、倫理的におかしい。そう批判されても、初志貫徹で「オリンピアン」の称号を手にした。少なくとも、自分の人生の傍観者ではない