福島第一原発の事故をめぐり強制的に起訴された東京電力の旧経営陣の裁判で、被告側の弁護士は、防潮堤を建設していたとしても事故を防げなかったとするシミュレーションの結果などを証拠として提出しました。
東京電力の元会長の勝俣恒久被告(77)、元副社長の武黒一郎被告(71)、元副社長の武藤栄被告(67)の3人は、原発事故をめぐって業務上過失致死傷の罪で強制的に起訴されました。
裁判では、津波を事前に予測して対策をとることができたかどうかが争われ、3人は無罪を主張しています。
8日、東京地方裁判所で開かれた3回目の審理では、検察官役の指定弁護士と被告側の弁護士がそれぞれ追加の証拠を提出しました。
被告側の弁護士は、平成14年に公表された福島県沖の地震の可能性について、当時、内閣府の中で、「信頼性が明らかではない」という意見が出ていたことを示すメールなどを提出しました。
また、原発事故の後で東京電力がシミュレーションを行ったところ、当時の想定に基づいて防潮堤を建設していたとしても事故を防げなかったという結果が出たとする証拠も提出しました。
次の審理は今月28日に開かれ、東京電力のグループ会社の社員が証言する予定です。
ソース
”防潮堤でも事故は防げず”|NHK 福島県のニュース
http://www3.nhk.or.jp/lnews/fukushima/20180208/6050000049.html