岡山県議13人が昨年度に公費で実施した海外視察で、ほとんどの報告書に同じ文章が使われていることが毎日新聞の取材で分かった。共通部分には、インターネット百科事典などと同一の記述があったほか、大半の議員が同じ変換ミスをしているケースも見られた。ネットからのコピー・アンド・ペースト(コピペ)や議員間で使い回しをしていた可能性がある。
岡山県議会の定数は55で、この海外視察には▽自民11人▽民主・県民1人▽無所属1人が参加。2016年11月、米国のワシントンDCやニューヨーク市、ボストン市などを10日間の日程で訪問し、視察報告書をそれぞれ県議会事務局に提出した。視察には公費が充てられ、計約1446万円が支出された。
報告書は公開されておらず、毎日新聞が情報公開請求で全約1600ページを入手した。内容は▽州や市の概要▽観光施設の紹介▽大使館公使らの講義メモ▽議員の感想--などだった。
13人のうち11人は「感想」以外の半分以上が同じ文章で、全体的に独自の表現を用いていたのは1人だけだった。また、10人は「コレクション」とすべきところを「これ区書」と記し、11人は「作られたもので」とすべきところを「作られ珠緒ので」と書くなど、同じミスをしていた。
さらに、州や市の概要、観光施設の紹介についてはネット百科事典「ウィキペディア」や旅行代理店のサイトなどと同一の表現が複数見られた。
例えば、9人はボストン市に関する約800文字の説明が全く同じで、ウィキペディアにもほぼ同じ文章が載っていた。この9人の報告書には「アメリカ最初の地下鉄網]などが生まれた」と文中に不要な記号があるが、ウィキペディアの該当部分を確認すると、「地下鉄網[12]」と注釈が付いていた。サイトからコピペした際、注釈を消し忘れた可能性がある。一方、いずれの報告書にも引用元を示す記載はなかった。
毎日新聞の取材に対し、複数の議員が他の議員からもらった原稿を報告書に使ったり、ネットの文章を参考にしたりしたことを認めた。理由について「時間の節約になる」と答えた議員もいた。
また、13人は取材への回答として連名の文書を出し、「報告書をまとめる際は、公表された事実を織り交ぜて作成するのが通例で、引用は許される。報告書作成について明文的ルールはなく、ルール違反の問題が生ずることはない」との見解を示した。
続きはソースで
岡山県議:海外視察報告書使い回し 同じ変換ミスもコピペ - 毎日新聞
https://mainichi.jp/articles/20180131/k00/00m/040/166000c