情報エンジンがほぼ完全な効率で動作する
https://phys.org/news/2018-01-efficiency.html
2018-01-19 Lisa Zyga Phys.org
物理学者たちが情報エンジン――従来の熱力学第二法則を超える効率で情報を仕事に
変換するデバイス――を実証した。代わりにこのエンジンは最近提案された
一般化熱力学第二法則に制限される。またこの新しい限界に迫る最初の情報エンジンである。
この結果は「無損失」情報エンジン――利用可能な情報がほぼ一切失われずに全てが
仕事に変換されるのでそう呼ばれる――が実現可能であることを実証し、また一般化
第二法則による制限の厳密性を実験的に確認するものである。
the Institute for Basic Science in Ulsan (韓国) の物理学者 Govind Paneru,
Dong Yun Lee, Tsvi Tlusty, Hyuk Kyu Pak (Tlusty と Pak は Ulsan National
Institute of Science and Technology にも所属) が、Physical Review Letters
の最近の号に無損失情報エンジンについての論文を発表した。
「カルノーが1824年に熱エンジンの効率に制限を課して以来、熱力学と統計力学の
進展を駆動してきたエンジンについて考え、情報操作を『悪魔』の形で加えることで、
新しい制限が提案されました。そしてその新しい制限を実験で実証することが
大事でした」と Pak が phys.org に語った。
従来、エンジンがエネルギーを仕事に変換する最大効率は熱力学第二法則に制限
されていた。しかし、もしエンジンが周囲から情報を得られれば、その情報を
仕事に変換できるので、そのエンジンの効率は第二法則を超えられるということが
ここ十年で実験によって示されるようになった。これらの情報エンジン (このような
デバイスの最初の着想にちなんで「マクスウェルの悪魔」とも) は、科学者たちが
完全に理解しようとまだ努力中の、情報と熱力学の基礎的なつながりによって可能となる。
(つづきはソースで)