「いまやここが第二のふるさとです」。多摩ニュータウンの団地が連なる東京都多摩市の愛宕地区で、友寄(ともよせ)祐輔(74)は語る。
友寄は沖縄・伊江島の出身。上京して1972年3月に都営愛宕団地へ入居し、初代自治会長を務めた
。当時28歳。周りは育児世代ばかりだった。
そして45年。友寄は「こんなに早く高齢化が進むとは思わなかった」と語る。3世代が一緒に住めず、子ども世代は去った。
「限界集落は東京にもあるんだと思った」。でも、人生をこの街で生きた。よそへ移る気はない。夫婦で近くの共同墓地を予約してある。
都は少子化で合併した小学校跡に新しく団地を造り、順繰りに住宅を建て直す方針だ。
「あたご地区自治連合協議会」(2084世帯)の役員、松本俊雄(69)は「建物は新しくなっても、住民の交流をどう作るかが課題」と話す。
12~13年前から、孤独死が目立ち始めた。団地でパトカーや救急車を目にすると、数日後「孤独死があった」とうわさで聞く。昨年1年間、松本が住む394世帯の団地で孤独死が6件あったという。
http://www.asahi.com/articles/ASL1255PBL12ULZU002.html
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