あおり運転など悪質・危険な運転行為が社会問題となる中、警察庁が、暴行罪の適用を視野に徹底した捜査を行うよう全国の警察に指示したことがわかりました。
警察庁は、今年6月に起きた東名夫婦死亡事故をきっかけに、あおり運転など悪質・危険な運転行為への対策を求める声が高まっているとして、全国の警察に対し、「暴行罪」の適用を視野に徹底した捜査を行うよう指示しました。
交通犯罪に詳しい専門家は、警察の対応を評価しながらも、今回の指示の背景には法制度上の課題があると指摘します。
「あおり行為自体について、処罰する法律は今のところない。“法律の抜け穴”のような状態になっている」(横浜国立大学法科大学院教授 工藤昇弁護士)
現在の法制度では、死傷者が出るまでに至っていない事故は危険運転致死傷罪の対象にならず、執拗なあおり運転などを直接的に規制する法律が存在しないということです。
警察庁は、暴行罪の適用ができない場合は、道路交通法の「急ブレーキ禁止違反」や「車間距離不保持」、「進路変更禁止違反」などの規定を活用して、厳しく取り締まりを行うようにとしています。
しかし、横浜国立大学法科大学院教授の工藤昇弁護士は、「道交法は、故意に人を怖がらせるようなケースは想定しておらず、きちんとした法体系を整備していくことが大切だ」としています。(25日15:45)
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