Q. 日本では単位面積当たりの農薬使用量がアメリカの7倍だといいます。農薬が過剰に使われていませんか。
農薬の使用量の比較は、いろいろな要素が絡み、単純に比較することは出来ません。
たとえば、表1のブドウでは日本の農薬使用量は30.9Kg/haで、アメリカとイタリアの3分の2,フランスの2分の1、
スペインの約2倍となっています。
大豆では日本は5.5Kg/haでアメリカの約2倍。
また日本に関する記載はありませんが、ばれいしょではアメリカの11.6Kg/haに対し、スペインは約4分の1、フランスが約1.2倍、
イタリアが約2倍となっており、国によって違いがあります。
同じ作物で農薬使用量を比較すれば、日本が特に単位面積当たりの農薬の使用量が多いわけではありません。
しかし、作物の違いを考慮せず、すべての作物で使用された農薬の合計を全耕作面積で割った数字で比較すると大きな差が出てきます。
つまり、アメリカのように全栽培面積のなかで、農薬の使用量の少ない作物の占める割合が大きい国ほど、
全使用量を全耕作面積で割った数字は、当然、少なく算出されてくるのです。
日本とアメリカのこのような差は、アメリカ農業のほぼ半分を占める麦類が、もともと病害虫の発生が少なく、
農薬の必要性が高くないことが影響しているのです。
作物別に見ると、日本を含め世界各国とも果樹は農薬使用量が多く、大豆やとうもろこし、小麦は少なくて済み、
コメやばれいしょはそれらの中間ぐらいに位置付けられます。
http://www.jcpa.or.jp/qa/images/qa13_01.gif
http://www.jcpa.or.jp/qa/a6_06.htmlより抜粋