取調室で待っていたのは、拷問…?
金賢姫はこうして、冒頭で書いた韓国・南山の国家安全企画部に連れてこられることとなった。
車を降りた金賢姫は、口に自殺防止の用の猿ぐつわをはめられたまま、嗚咽しながら階段を降りたという。
「目を閉じたまま階段を降りました。南山地下室に入っていくのが、死ぬより怖かったんです」(金賢姫)
部屋に入って目を開けると、そこは小さな取調室だった。窓はない。
隣に風呂場がある。その白い壁に、無数の傷や手垢が付いているのを見て、金賢姫は鳥肌がたったという。
<ここで何人の革命家が拷問されて、死んだのだろうか……>