11月11日、ベトナムのダナンで安倍首相と習近平国家主席が会談した。
習主席は笑顔で安倍首相の方を向き、むしろ安倍首相の方が、またいつもの仏頂面をされるのではないかと警戒して、
習主席ほどの笑顔を見せていなかった。
それに対して正面を向いた習主席が不快な様子を見せるかと思ったが、なんと、笑顔。しかも穏やかな笑顔だ。
安倍首相も正面を向きながら、同程度の笑顔を見せた。
これに関して日本の一部のメディアでは、「党大会が成功裏に終わり権力基盤が盤石になったので、
反日姿勢を国内に示さなくとも、反対勢力に利用されることはないから」といった、またしても権力闘争を軸にした分析が見られる。
このような分析をしていると、日本はまた同じ過ちを繰り返すことになる。
習主席が笑顔を見せたのは、ひとえに一帯一路に日本を誘い込みたいからである。
日本を落せば、アメリカも落ちる。
逆に、アメリカが落ちれば、日本は必ず慌ててアメリカに追随するだろう。
だから、どちらか一国を落せば、習主席は中国が提唱する一帯一路大経済圏に、日米両国を従えることができるのだ。
日米は中国がトップリーダーとして君臨している経済圏に「中国に従う形」で入ってくることになる。
これこそが「中国の夢」であり、「中華民族の偉大なる復興」なのだ。
アメリカに追いつき追い越すには、まだ時間がかかる。
しかし、習近平政権の期間内に、中国が君臨する経済圏に日米が入ってくれれば、習主席は中国人民に
「中国の夢を叶えた」と誇ることができ、「遂に中華民族の偉大なる復興を成し遂げた」として胸を張ることができるだろう。
「習近平新時代の中国の特色ある社会主義国家思想」が定義するところの「新時代」を実現化することができるのだ。
http://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2017/11/post-8897.php