アジア歴訪中のトランプ米大統領は11日、中国の習近平(シーチンピン)国家主席を「毛沢東以来、もっとも権力を持つ指導者だ」と持ち上げ、北朝鮮の核・ミサイル開発を止める役割を果たしてくれることに期待感を示した。ベトナムの首都ハノイに移動する機内で、米記者団に語った。
トランプ氏は、中国が北朝鮮への態度を変えるかと問われ「習氏は『北朝鮮の核開発を止めることに関与する』と発言した。とても重大な発言だと思った。習氏は毛沢東以来の、それ以上の権力者だ」と語り、中国が圧力を強化するとの見通しを示した。
11日にベトナム中部ダナンであったアジア太平洋経済協力会議(APEC)の首脳会議が終わった際、安倍晋三首相から「あなたが日本と韓国を訪問した後、日韓関係がとても改善し、絆が強化された」と感謝されたことも明らかにした。
また、トランプ氏はAPEC首脳会議の合間に、ロシアのプーチン大統領と短い会話をしたことも明らかにした。その際、一連のロシア疑惑について、トランプ氏が「あなたは大統領選に介入したのか」と尋ねると、プーチン氏が「やっていない」と答えたという。
その上でトランプ氏は「プーチン氏はこの問題で傷ついている。両国にとって良くない。ロシアと関係を改善すれば、北朝鮮問題でも協力を得られる」と発言。メディアや野党・民主党が疑惑ばかり追及することで国益を害していると訴えた。
また、日本で安倍首相とゴルフをした際、安倍首相がバンカーで転んだことについて「私は見ていないが、ヘリコプターが上空から(転ぶところを)撮っていた。私は感動した。今まで見てきたどの体操選手よりも素晴らしかった」と語った。(ダナン〈ベトナム中部〉=土佐茂生)
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