米中首脳会談に先立ち、北朝鮮の国営メディアは「強大な経済力や、核と大陸間弾道ミサイルを持ちながらも、ずうたいの大きさに見合わない国々もある」とする論評を伝え、北朝鮮に対する国連安全保障理事会の制裁決議を着実に履行すると強調する中国を念頭に、批判したものと見られます。
9日北京で行われた米中首脳会談のあとの記者会見で、アメリカのトランプ大統領が、中国に北朝鮮への一層の対応を求めたのに対して、中国の習近平国家主席は「米中両国は、国連安全保障理事会の制裁決議について、全面的で厳格な実施を続ける」と述べたうえで、対話を通じて、問題を解決すべきだという立場を強調しました。
これに先立って、北朝鮮の朝鮮労働党機関紙「労働新聞」は9日、「強大な経済力や核と大陸間弾道ミサイルを持ちながらも、アメリカなどの強権と横暴に押され、ずうたいの大きさに見合わない国々もある」とする論評を掲載し、名指しは避けながらも、北朝鮮に対する制裁決議を着実に履行すると強調する中国を念頭に、批判したものと見られます。
北朝鮮は、核・ミサイル開発をめぐる中国の対応について、国営メディアを通じてたびたび批判しています。9日、ピョンヤンから北京の空港に到着した北朝鮮の男性も、「兄弟のような両国の友好関係に背いた中国を残念に思う」と話していて、北朝鮮で中国への不信感が高まっていることをうかがわせています。
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20171109/k10011217811000.html?utm_int=news-new_contents_list-items_036