北朝鮮で暮らす子供は、口に出してはいけない「暗黙のルール」を自然と理解して成長する。
「他の子供と同じように私にも友達がいた」と普通の子供と変わらないことを強調したヒヨンだが、
一方で「幼いころでさえ金正日総書記(当時)に一切疑問を持たなかった」そうだ。
ヒヨンが北朝鮮で目にしたものは、この「暗黙のルール」が破ってはいけないものだと教え込むのに十分すぎるほど残酷だ。
金正恩は首都ピョンヤンで暮らす上流階級に公開処刑を見学させた後、豪勢なランチを振る舞うという。
ポルノ映画を製作したとして罪に問われた歌手ら11人の処刑には、市民1万人が集まった。ヒヨンもその1人だった。
「連行される歌手たちは、縛りあげられ、頭にはフード、口に猿ぐつわをはめられた状態で慈悲を乞うことも叫びを上げることも許されない」
最終的に歌手たちは、対空砲の砲弾が尽きるまで撃たれた。ヒヨンはこれを200フィート(約60m)の距離で見ており、
その後で気持ち悪くなってしまった。