大学教授の娘で現在41歳のリー氏は、北朝鮮北部で育った。
男性親族の多くは兵士で、1990年代に壊滅的な飢饉が起きたとき、リー氏は毎日必ず食事にありつけるだろうと、軍隊に志願した。
「飢饉の結果、北朝鮮の女性たちは特に弱い立場に置かれた」。
著書「North Korea's Hidden Revolution(北朝鮮の隠れた革命)」の筆者、ジェウン・ぺク氏は指摘する。
「女性の労働力が前より必要となり、特に嫌がらせや性的暴力などの不当な扱いを受ける女性が増えた」。
当時17歳だったリー氏は当初、愛国心と集団意識に駆り立てられて、軍隊での生活を満喫した。
配給されたヘアドライヤーに感動もした。電力供給が不安定で、ほとんど使えなかったが。